イベント情報

めざせ、子どもシェフ! - 食と農のとびっきり体験
第9回 麹(こうじ)の力 発酵の力

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日時

2022年09月11日(日)  9:30~13:00

場所 女性総合センター アイム料理実習室
東京都立川市曙町2-36-2 (JR立川駅北口徒歩5分)
対象 小学5年~高校2年生(本人のみの参加)
定員 20名
費用 500円
持ち物 エプロン、三角巾(バンダナやキャップ)、タオル(ハンカチ)、筆記用具
主催 NPO法人市民科学研究室  http://www.shiminkagaku.org/
NPO法人ポラン広場東京
申込み 案内チラシをFAXするか、申込みフォームよりお申し込みください
問合せ NPO法人ポラン広場東京 事務局 (担当:中村)
〒198-0052 東京都青梅市長淵 4-393-11
0428-22-6821 (受付時間平日09:00~17:00)
office@polano.org

発酵食品って?

今日のスタートは生のきゅうりとぬか漬のきゅうりの食べ比べから。色、味、におい、食感etc.感じた違いを学習シートに書き込んでいきます。ぬか漬けになると生とどう違うのか、漬物なので調味料だけでできるのか?班ごとに考えます
ぬか漬けを作る秘密は、米糠(こめぬか)だった!子どもシェフたちは各自が家族がぬか漬けを自作していたり、食べたことがあり、「ぬか」が必要なことは知ってはいました。しかし、精米すると白米は食べやすくなるけれど米糠部分に精米前の約80%の栄養が集中することにえーっ!て反応を示す子も。ぬか床の中できゅうりが漬物に変身することを「発酵」ということなどを上田さんから学びました

発酵食クイズ

では、ここで問題です。テーブルに並べられた食べ物の中で、ぬか漬けと同じように発酵させて作ったものはどれでしょう?

醤油、レモン、塩、煮豆、ビール、白カビチーズ、味噌、スポンジケーキ、きなこ、みりん、麦茶、酢、納豆、豆腐、鰹節 (太字が正解)

においや味など、「発酵食品」に何か共通している特徴はあるのでしょうか?

発酵と腐敗

くさる(腐敗):菌やカビがたくさんくっついて増えて、いつのまにか、食べ物は「消えて」しまう。ヒトが腐ったものを食べると、お腹をこわす
発酵:菌やカビがたくさんくっついて増えるけれど、食べ物がヒトにとってより美味しく、栄養もぐんと増えて、そして長持ちのする食べ物に変身する

発酵には、主に、3つの、大きく種類の異なる微生物が活躍する。それぞれに、とてもたくさんの仲間たちがいることを学び、ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作ってみました

  • 細菌(バクテリア):乳酸菌は麹カビや納豆菌のつくった糖を食べて増える。乳酸などの有機酸をたくさん出す。乳酸は、pH2.0とか2.5とかの強酸性だから、強力な殺菌力がある。40~50度くらいを好むが、100度になっても死なない。条件的嫌気性細菌なので、酸素はあってもなくても生きられる
  • 酵母(イースト):分解して細かくなった有機物を、アミノ酸、ビタミン、核酸、ミネラル、脂肪酸に再合成したりする。人間が体内で合成できない8つの必須アミノ酸を作れる。酸素が少ない条件で酵母はアルコール発酵を行い、乳酸菌は乳酸発酵を行う。その結果、有機酸やエタノールなどのアルコールが生産され、味噌に独特の香気を与える。酸素があるとこれらの発酵が止まるとともに好気性の雑菌が生えることにも繋がることから熟成中は容器の気密化が必要。30度以下でゆっくり熟成するのがよい。pHは4とか4.5くらいが適している。ここで温度を上げたり水をかけてしまうと、最後になって腐敗菌が入ってしまう
  • 麹カビ(真菌類):発酵のときは、たいてい最初に働く。分解はあまり得意でない。セルロースとかの硬いものとか、有機物の細胞の中まではなかなか食い込めない。デンプンを分解して、ブドウ糖や果糖などの単糖類にする。小さい食べやすい糖をたくさん作る。甘酒の香り。25~30度くらいの温度で活発になる。45度~50度になると死ぬが、酵素だけは働き続けて糖化作用はどんどん続く。水分は50%以下がいい

醤油、レモン、塩、煮豆、ビール、白カビチーズ、味噌、スポンジケーキ、きなこ、みりん、麦茶、酢、納豆、豆腐、鰹節 (太字が正解)

においや味など、「発酵食品」に何か共通している特徴はあるのでしょうか?

発酵の魔法の方程式

コメ(あるいは麦、あるいは大豆)+麹カビ(麹菌とも言う)=麹
麹+酵母+コメ=酒(日本酒)
麹+大豆+塩=味噌
酒+酢酸菌=お酢
大豆+小麦+塩+麹=醤油

味噌の製造工程を詳しく学ぶ中で、身近な材料から色々な食品や調味料が出来上がることを知りました

たった1時間半でヨーグルトや甘酒はどこまでできるか?

講座の中でヨーグルトや甘酒がどこまでできるかやってみます。上田さんがヨーグルトメーカーなど長年愛用しているグッズを取り出し、材料を入れてスイッチON!さすがに1時間半ではほんのり酸味が感じられたりする程度でしたが、変化が現れたのはわかりました

発酵食を味わって塩こうじを作ってみよう!

A:塩こうじに一晩つけた鶏肉、B:授業の前に塩こうじをつけた鶏肉、C:塩のみの鶏肉を、講師の小林さんが蒸し器の使い方を説明してくれながら加熱。受講生はA・B・Cを試食し、それぞれの味や硬さ(やわらかさ)、好みなどを学習シートに記入します。続いて実際に塩こうじを作ってみました

塩こうじの作り方
<材料>
乾燥こうじ 170g、塩 60g(材料全体の約13%分)、水 230g
<作り方>
1.ボウルにこうじと塩を入れよく混ぜる
2.水を加えて混ぜる
3.保存容器に入れ、ふたをして常温で熟成させる。1日1回かき混ぜる
<ポイント>
こうじや塩はかたまりがなくなるまでしっかりほぐして水を加える。混ぜて塩の粒感がなくなればOK。水は風味に影響するので水道水よりミネラルウォーターなどを使うのがおすすめです
熟成中にガスが発生することがあるので、ふたは完全に閉めずに少しゆるめておく。直射日光の当たらない場所に置き、常温で熟成させる(夏は約1週間、冬は10日~2週間程)。 1日1回程度かき混ぜ、水減ってきたら追加して、こうじが水にひたっている状態を保つのがポイントです

野菜を使ったおかずを作る

<野菜を料理しよう>
条件
・各自の持ち寄った野菜で2~3人前のおかずを作る
<野菜を買う時に>
・何を基準に選びましたか?
 (食べたいもの、作りたいもの、旬のものetc.)
・買い方の工夫は?
 値段は?無駄なく使い切るためにバラ売りしているもの?同じ野菜でもお店によって値段は違う?など
= さあ、調理実習です! =
・自分たちのレシピで2品仕上げましょう
・発表と試食を行い、調理方法について一緒に考え、改善点を各班話し合って決め、次に生かしましょう

今回も朝一番でお当番さんがご飯を炊いてお味噌汁を準備してくれています。出来上がった料理はバイキング形式に並べて、みんなで少しずつ沢山の種類をおかずにしてお昼ごはんを食べました

講師紹介 上田 昌文(うえだ あきふみ)氏

市民科学研究室 代表理事
市民研は暮らしの中にある科学技術“リビングサイエンス”(=生活を基点にした科学技術)という概念を手がかりに、様々な角度から「生活者にとってよりよい科学技術とは」を考え、そのアイデアを実現していこうとしています。子ども料理科学教室は、市民科学研究室が開発した科学実験と料理の技の習得を結びつける、実験しながら料理を作ることで「なぜこの調理法でうまくいくのか」を五感で探求できる新しい食育プログラムです

※この事業は公益財団法人キユーピーみらいたまご財団の
2022年度「食育活動助成プログラム」の助成を受けています

各回開催当日の模様はこちらから
年間スケジュール&テーマ5/85/226/126/267/107/248/78/219/119/2510/0910/2311/1311/2712/0412/18
2023年 1/81/222/122/263/19

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