イベント情報

子ども料理科学教室
第9回 捨てないでおいしく長持ちさせる技 ~食べ物をとことん生かす保存食~

日時 2015年11月15日(日)  10:00~12:00
場所 女性総合センター アイム料理実習室
東京都立川市曙町2-36-2 (JR立川駅北口徒歩5分)
対象 小学4年~中学3年生(小学3年以下と高校生は応相談)
参加費 子ども 500円  ※いずれも会場でお支払ください
持ち物 エプロン、三角巾(バンダナやキャップ)、タオル(ハンカチ)、筆記用具
主催 NPO法人市民科学研究室  http://www.shiminkagaku.org/
NPO法人ポラン広場東京
申込み 案内チラシ配布の店舗、ポラン広場の宅配窓口、またはポラン広場東京事務局に以下の事項を添えてお申込みください
参加者氏名(ふりがな)/学年・年齢/保護者氏名(ふりがな/参観の有無)/住所/TEL/mail
※お知らせいただいた個人情報は、厳重に管理し、当プログラムに関係する手続きのみに使用します
問合せ NPO法人ポラン広場東京 事務局 (担当:佐藤)
〒198-0052 東京都青梅市長淵 4-393-11
0428-22-6821 (受付時間平日09:00~17:00)
office@polano.org

腐るってどういうこと? ~食品をじょうずに保存するワザ~

食べ物を冷蔵庫に入れないで放置するとどんな状態になるのか?みんなの家でも食べ物をムダなく上手に使いきる知恵を持つことは、お財布にも地球にもやさしいのではないでしょうか
そこで、今回は「食品をじょうずに保存するワザ」を伝授していただきます!

保存食ってどういうもの?

「ご近所さんから野菜をたくさんいただきました。こんなにたくさんどうしよう。このままにしておくと、いったいどうなるでしょう?」
子どもたちからは、「茶色くなる」「臭くなる」「カビが生える」という声があがりました
腐って食べられなくなったものは、捨てることになります。そこで、腐らないようにどうやって保存するのか、三つの食材を使って考えてみました

はくさい…キムチにする。冷蔵庫に入れる
豆腐…水につける
りんご…ラップをして冷蔵庫に入れる。ジュースにする

子どもたちには難問だったようですが、「白菜漬け、高野豆腐、りんごジャム」となって売られていると聞いて、保存食が身近にあることが分かりました

保存食を作ってみよう

【りんごジャム】

  1. りんごの芯を取り除き、皮ごと厚さ1センチくらいのいちょう切りにする
  2. 鍋にりんごと砂糖を入れ、中火にかける
  3. フツフツしてきたら木べらで混ぜ、あくを取りながら弱火で20~30分煮る
  4. 最後にレモン汁を加えて火を止める

いろんな厚さのいちょう切りになりましたが、ジャムになった時にどんな食感になるのか楽しみです

【白菜漬け】

  1. 白菜はひと口大に切る
  2. 保存用袋に白菜と塩、昆布を入れて、全体に塩が行き渡るように振る
  3. 空気をできるだけ抜いて、重しを乗せる

全体に塩が行き渡るように、揉むのではなく袋をふります。袋の蓋を閉めずに勢いよく振って、中身が飛び出してしまった子もいました

保存のしくみを知る

今朝炊いたご飯と、数日経って腐ったご飯を比べてみました。においをかいでみると、炊いたばかりのご飯は「いいにおい」。腐ってカビの生えたご飯は…「ん~カビくさい」
時間が経つと、どうして腐るのでしょう?
それは、ばい菌(細菌)のしわざです。ばい菌が増えるには「温度」「水分」「酸素」の3つの環境が関係します。ばい菌が増えると食べ物は腐ります。保存食は「ばい菌が増える」可能性を潰したものです
基本の「保存のわざ」は4つ

  1. 塩・砂糖漬け…りんごと砂糖を煮ると水分が出てきました。また、白菜に塩を振っても水分が出てきました。このように水分を抜くことで、ばい菌の細胞から水分が奪われ、ばい菌が生きることができない環境を作ります
  2. 乾燥…米、パスタ、小麦粉、のりなどは乾燥させることによって、ばい菌の増殖に必要な水分を減らしています
  3. 冷凍…冷凍することで、ばい菌の中の水分も凍ってしまい生きられません
  4. 発酵…良い菌を強くして増やすのが発酵。良い菌が増えると、悪い菌(ばい菌)は寄り付くことができなくなります

食品ロスについて知ろう

聞きなれない言葉に戸惑う子どもたちですが、「給食残していませんか?」と講師が問いかけると、「残していません」と元気な声が返ってきました
売れ残りや期限切れ、食べ残しなど、本来食べられたはずの食品を「食品ロス」といいます。日本では年間1,800万トンの食品が廃棄されていますが、そのうち500~800万トンがこの「食品ロス」とされています。多くの食べ物を輸入しながら、大量に捨てているのです。大切な食べ物を無駄なく食べるためにも、保存食のような工夫が必要だということを学びました

科学技術のすごい保存方法

お湯を注ぐだけで美味しい味噌汁の出来上がり。試食しながら講師のお話を聞きました。オクラ、はくさい、かぼちゃ、ねぎ、油揚げなど色んな食材が入っていますが、賞味期限は来年の4月です。どうしてこんなに長く保存できるのでしょう?どうやって作っているのでしょう。家で作れるでしょうか?
子どもたちからは、「油で揚げているの?」「乾燥させているんじゃない?」などと意見が出ました
実はこれは真空凍結乾燥法(フリーズドライ製法)といって、まず具材を凍結し、その後に減圧して真空状態にすることで水分をとばして乾燥させる技術で作れました。残念ながら家で作ることはできません
このような技術の他にも現代の保存法はいくつかあります。その中で二つの保存法について、実験を行いました

【実験1】 脱酸素剤で酸素をなくす
お菓子などに同封されている乾燥剤ですが、中身は使い捨てカイロと同じです。カイロの中身を使って酸素を吸収する様子を見る実験です
ペットボトルに使い捨てカイロの中身を入れ、蓋をしてしばらく置いておくと…ペットボトルの中の酸素を吸収して、ペットボトルはへこんでしましました (※家ではマネをしないでください)

【実験2】 乾燥剤で乾燥させる
シリカゲルの発色変化で吸湿度合いを見る実験です
もともと青いシリカゲルに水をかけたら、水分を吸収してピンク色に変化しました。逆に水分を吸ったシリカゲルを鍋で乾煎りすると…水分がなくなり、青色に戻りました

保存食で料理を作ろう

【田作り】

  1. いりこを耐熱皿に並べ電子レンジ500wで2~3分(ぽきっと折れたらOK)
  2. ざるなどに広げて冷ます
  3. 鍋に砂糖、みりん、醤油を入れ、弱火にかける
  4. 泡が立ってきたら、水を少々入れ手早くからめる
  5. 広げて冷ます

焦げ付かないようにさっとからめるのがポイント!真剣な顔で取り組んでいました

【高野豆腐の煮物】

  1. 高野豆腐はぬるま湯に入れ、柔らかくなったら軽く絞り、適当な大きさに切る
  2. 出汁と調味料を鍋に入れ中火にかけ、温まったら高野豆腐を入れる
  3. 弱火でゆっくり煮ふくめる

身近にあるものだけど、「作ったのは初めて」という子どもがほとんど。「田作りはお正月に作ってみたいな」という子も。りんごジャムはクラッカーにつけて試食しましたが、お母さんお父さんからも美味しいと好評でした。まな板で重しをした白菜漬けは、お土産に持ち帰りました

第10回のテーマは「マイ・レシピでおいしく作ろう!」

全10回の最終回!12月は「マイレシピを作ろう!」~煮物、炒め物、和え物、デザートetc. ということで、今までに学んできた技をフルに活用しておいしい料理を作ります!
若干名新たな参加も可能です。次回も面白さ満載で、お申込みお待ちしています!

講師紹介 上田 昌文(うえだ あきふみ)氏

市民科学研究室 代表理事
市民研は暮らしの中にある科学技術“リビングサイエンス”(=生活を基点にした科学技術)という概念を手がかりに、様々な角度から「生活者にとってよりよい科学技術とは」を考え、そのアイデアを実現していこうとしています。子ども料理科学教室は、市民科学研究室が開発した科学実験と料理の技の習得を結びつける、実験しながら料理を作ることで「なぜこの調理法でうまくいくのか」を五感で探求できる新しい食育プログラムです

募集チラシ / 会場アクセス

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