イベント情報

子ども料理科学教室
第3回 塩が料理にとっても大切なワケ

日時 2015年06月21日(日)  10:00~12:00
場所 女性総合センター アイム料理実習室
東京都立川市曙町2-36-2 (JR立川駅北口徒歩5分)
対象 小学4年~中学3年生(小学3年以下と高校生は応相談)
参加費 子ども 500円  ※いずれも会場でお支払ください
持ち物 エプロン、三角巾(バンダナやキャップ)、タオル(ハンカチ)、筆記用具
主催 NPO法人市民科学研究室  http://www.shiminkagaku.org/
NPO法人ポラン広場東京
申込み 案内チラシ配布の店舗、ポラン広場の宅配窓口、またはポラン広場東京事務局に以下の事項を添えてお申込みください
参加者氏名(ふりがな)/学年・年齢/保護者氏名(ふりがな/参観の有無)/住所/TEL/mail
※お知らせいただいた個人情報は、厳重に管理し、当プログラムに関係する手続きのみに使用します
問合せ NPO法人ポラン広場東京 事務局 (担当:佐藤)
〒198-0052 東京都青梅市長淵 4-393-11
0428-22-6821 (受付時間平日09:00~17:00)
office@polano.org

塩加減ってどんな加減?

4つのトマトジュースを飲み比べ
4種類のトマトジュースをそれぞれスポイトで同量口に入れ、「塩加減」について考えました。無塩のもの、0.2%、0.35%、0.9%と用意して飲み比べ。「塩が入ってないのがトマトの味がちゃんとしていい」という、うす味が好みの子もいましたが、上田先生によると人の体が必要とする塩分濃度は0.9%なのだそうです。参加した大人向け資料には、厚生労働省やWHO(世界保健機構)の推奨する値が紹介されていました

1日の食塩摂取量の目標値 (2015年4月現在)
3~6g…腎臓疾患のある人
5g………WHO(世界保健機構)推奨
6g………高血圧の治療を必要とする人
7g………健康な成人女性
8g………健康な成人男性

塩「ひとつまみ」ってどれくらい?

1gだと思う量を取ってみよう
デジタルスケールを使って、思い思いに1gと思う量を測ってみました
「ひとつまみ」と言っても低学年から高学年まで手の大きさはまちまち
そして、親指と人差し指だけでひとつまみする子、中指も入れた3本の指でひとつまみする子。ひとつまみの分量にはけっこう差があります。自分のひとつまみが何グラムかを確認して、1gにするには何つまみくらいかと繰り返し試す子もいました

塩の種類と作り方

いろんな種類の塩があるって知ってる?

  • 海水:天日に干したり、火にかけて煮詰めたりして作る
  • 岩塩:地殻変動で海水が陸上に閉じ込められて結晶になったものを採掘する
  • 塩湖:塩分濃度の高い湖で水分が蒸発してできる塩

上田先生がスライドを見せながら、塩ができるまでを解説。各テーブルに海塩、岩塩、精製塩をまわして観察しました

塩を作ってみよう
500mlの海水を入れたビーカーを火にかけて、水分を飛ばして塩を作ってみました
最初は水面近くにうっすらと白い模様ができてきて、完全に水分が蒸発すると白い塩の結晶がビーカーに残りました

塩の役割

味付けだけじゃない 身近にたくさん、塩を使ったものがあるよ
味を調えるだけでなく、塩には食欲が増したり、水分を引き寄せるちからがあったり、食べるものを保存するちからがあることを学びます

  • 保存:わかめ、鮭、ハム、ベーコン、梅干し(漬けもの)など

浸透圧のはなし

大根に穴をあけて塩を入れると…
各班に輪切りにした大根が配られています。この大根の真ん中にスプーンで丸くくぼみを作ってそこに塩を詰めて様子を見ます。時間とともに水がくぼみにたまってきました。塩が大根の水分を吸い取っているからです

紫キャベツの塩もみ・砂糖もみ
刻んだ紫キャベツが100gずつ入ったボウルが2つ。片方には塩を10g、もう片方には砂糖を10g、同時に入れて5分ほど手でもみます。5分ももむと、どちらもしんなりしてきますが塩を入れたキャベツの方が見た目にも少ない感じになりました。このキャベツを絞ってみると、塩でもんだ方が砂糖でもんだ方よりたくさん、紫色の液が出てきます
「野菜の細胞の中にある水分を、塩が細胞膜を通して吸い出す力を浸透圧っていうんだ。塩は砂糖よりも水分を吸いだす力が強いから、たくさん水分が絞れたんだ。」と上田先生

卵!?
卵を一週間ほど酢につけると殻が溶けて、顕微鏡を使わなくても見ることができる、大きなひとつの細胞になります。細胞膜に覆われた普段は見ることが無い卵に子どもも同伴していた親御さんもびっくり。やさしく触るとぷよぷよと弾力があります
顕微鏡を使って見る、玉ねぎの細胞もスクリーンに映し出されます。膜に覆われた一つ一つの細胞がきれいに並んだ姿ですが、紫キャベツと同様に、塩揉みすると細胞内の水分が吸いだされてしんなりしてしまいます

あずきとゴマの実験
同じサイズのメスシリンダーに50mlまであずきとゴマを入れて準備。あずき50mlとゴマ50ml、ひとつにまとめて混ぜると…そーっとあずきの方にゴマを入れてみると最初は100mlに近かったものが、ふって混ぜてみると減っていた。なんで?「あずきのすきまにゴマが入ったからー」と子どもたち。正解です!

かまぼことすまし汁を作ってみよう

塩についていろいろ知ったところで、いよいよ調理実習です。タラのすり身と塩、小麦粉を練ってかまぼこを、昆布とかつおのだし汁に塩を使って味付けをします

かまぼこ:タラに対して塩2%、小麦粉4~6%を入れてすり鉢で練ってから蒸し器で加熱
すまし汁:だし汁に対してどれくらいの塩を入れて味付けをするかは各班で相談して決める

出来上がったら各班でどのくらいの塩加減にしたか発表し、試食します。先生は塩を入れずに作ったかまぼこをみんなに見せてくれました。塩が入っていないだけなのに、弾力もなく、さわるとボロボロとくずれます
「塩を入れることでタラのタンパク質と結びつき、プリプリとしたかまぼこになるんだよ。」
と上田先生。できあがったかまぼこを、すまし汁に入れてひと味上のお吸い物を楽しむ子も現れました

次回の子ども料理科学教室は「野菜はお友達! ~育てる、作る、食べるの技」。7月19日、同会場で行われます。また、7月は夏休み中ということもあり、7/26(日)にも「わかる!使える!料理の道具たち」というテーマで開催予定です。皆さんの参加をお待ちしています

講師紹介 上田 昌文(うえだ あきふみ)氏

市民科学研究室 代表理事
市民研は暮らしの中にある科学技術“リビングサイエンス”(=生活を基点にした科学技術)という概念を手がかりに、様々な角度から「生活者にとってよりよい科学技術とは」を考え、そのアイデアを実現していこうとしています。子ども料理科学教室は、市民科学研究室が開発した科学実験と料理の技の習得を結びつける、実験しながら料理を作ることで「なぜこの調理法でうまくいくのか」を五感で探求できる新しい食育プログラムです

次回募集チラシ / 会場アクセス

開催当日の模様はこちらから
第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回第9回第10回

ニュースレター

NPO法人 ポラン広場東京
特定非営利活動法人
ポラン広場東京

〒198-0052
東京都青梅市長淵
4-393-11

TEL 0428-22-6821
FAX 0428-25-1880