イベント情報

子ども料理科学教室・夏休み自由研究スペシャル
発酵という魔法 ~小さな生物の大きな力~

日時 2017年08月06日(日)  13:30(13:00開場)~16:30
場所 女性総合センター アイム料理実習室
東京都立川市曙町2-36-2 (JR立川駅北口徒歩5分)
対象 小学生(小学3年生以下は保護者同伴での参加をお願いします / 中学生は応相談)
参加費 1,200円 当日会場受付でお支払いください
持ち物 エプロン、三角巾(バンダナやキャップ)、タオル(ハンカチ)、筆記用具
主催 NPO法人市民科学研究室  http://www.shiminkagaku.org/
NPO法人ポラン広場東京
申込み

案内チラシ配布の店舗、ポラン広場の通販・ポラン広場の宅配窓口、またはポラン広場東京事務局に以下の事項を添えてお申込みください
参加者氏名(ふりがな)/学年・年齢、保護者氏名(ふりがな)/住所/TEL/mail
※お知らせいただいた個人情報は、厳重に管理し、当プログラムに関係する手続きのみに使用します
※右のチラシ(裏面申込み用紙付)もご覧下さい

問合せ NPO法人ポラン広場東京 事務局 (担当:桑畑)
〒198-0052 東京都青梅市長淵 4-393-11
0428-22-6821 (受付時間平日09:00~17:00)
office@polano.org

酢、醤油、味噌、味醂などの調味料や納豆、漬物、鰹節…

毎日私たちが食べているものの中には「醗酵」の恵みを受けたものがたくさんあります
それらの食べ物をとりあげて、身近な微生物の存在について、クイズや実験、調理実習を通じて地球上で一番小さな生き物(微生物)の大きな力を探ってみました

食べ物をほうっておくとどうなる?

ほうっておいてカビの生えてしまったパンは、食べることができません。同じ「カビ」でも人間にとって悪いカビと良いカビがあります
カビのような人間の目では見えない小さな生き物を「微生物」と言います。私たちの身の回りには色々な微生物がいます。インフルエンザなどのウィルスや、O-157のような病原性大腸菌など怖いものもありますが、ヨーグルトや味噌などの発酵食品を作るなど良いものも多くいます
この小さな菌は、実は私たちの体にもいます。一番多くいる場所は腸の中です。私たちの大腸にはおよそ500兆~1000兆個の菌がいると言われています

良い菌を使って作る食べもの

発酵三兄弟 “乳酸菌” “酵母” “こうじ”

【ヨーグルト】
ヨーグルトは乳酸菌という菌が活躍してできたものです。牛乳にヨーグルト種を混ぜて30~40度のわりと低い温度で保温すると、菌が増えてヨーグルトができあがります。ヨーグルティアという調理機を使って、2時間後にどのような変化が起こるのか実験してみました。子どもたちから「すっぱい」という感想が聞かれました

【甘酒】
60度くらいのおかゆに麹を混ぜて保温すると麹かびが増えて、甘酒が出来上がります。ヨーグルトと同じようにヨーグルティアを使って2時間後に試食してみました。子どもたちからは「甘い!」「すっぱい!」「おいしい」「あんまりおいしくない」などの感想が聞かれました

【パン】
小麦粉、砂糖、塩、ドライイースト、4種類の材料のみでシンプルなパンを作ってみました

基本のパン
材料 (コッペパン6個分)

小麦粉(強力粉)…150g
砂糖…10g
塩…3g
ぬるま湯…85g

作り方
  • ボールにぬるま湯以外、全ての材料を入れる
  • ぬるま湯を(1)のボールに入れて混ぜる
  • よくこねる
  • 常温で20分ねかせる
  • 6等分に切り分けて形をつくる
  • オーブンで焼く

上手に焼けました

異なる作り方をしたら、パンの出来上がりはどうなるでしょう?
実験を通して酵母の働きを観察してみました

5種類のパンを並べて比べてみました

  1. 通常のパン
    →ふわっと甘い匂い、やわらかい、色がこんがり、ふわふわ
  2. ドライイーストを入れない
    →小さい、ふくらまない、かたい、かちかちで詰まっている
  3. 発酵時間をとらない
    →普通のパンとあまり変わらない、少しかたい、大豆みたいな味
  4. 熱湯でこねる
    →普通のパンとあまり変わらない、やわらかい
  5. 冷蔵庫で発酵させる
    →おいしい、あまり変わらない

身近にある発酵食品を見つけよう

トレーの上に並べられた色々な食品の中から発酵食品をあてるクイズをしました

醤油、酢、味噌、納豆、ビール、みりん、白カビチーズ、鰹節
塩、煮豆、レモン、麦茶、カステラ、豆腐、きな粉

においをかいだり、食べてみたりしました
「パンが発酵食品だから、カステラも発酵食品なのかなぁ」
何問正解できたでしょうか

答え合わせの後は、ちょっと難しい問題に挑戦しました
これらの発酵食品を微生物の種類によって分類してみましょう
「細菌」「酵母」「カビ」どの働きによる食品なのでしょう

とても難しいクイズでしたが、みんなよーく考えて書き入れていました

パンはなぜふくらむのでしょう?

ドライイーストという酵母は砂糖が好物です。35度前後の暖かい場所では酵母が活発に活動し、呼吸することで二酸化炭素を出します。この呼吸によってパンはふっくらとふくらみます
ドライイーストを温めると二酸化炭素が出ることを観察してみました

    実験
  1. 10%グルコース溶液を作り、ドライイースト3gを入れよくかきまぜる
  2. 2500mlビーカーに低温度のお湯を用意(50度くらい)
  3. 実験装置の試験管に20mlを取り、湯につける
  4. ガスを補修するために水中置換の装置を組む

酵母液を顕微鏡で見てみよう!

参加者のみなさんに事前に酵母液を仕込んで持ってきてもらいました
甘夏から作った酵母液と、トマトから作った酵母液を観察しました

ふたを開けるとシュッという音とともにブクブクと泡が発生しました。これも酵母の呼吸によって二酸化炭素が出ている様子です
この酵母液を顕微鏡で見てみると、丸い形をした酵母がたくさん見えました

試食タイム

最後に、パンや、市民科学研究室の先生方が用意してくれた鶏ハムなどをみんなで試食しながらお茶タイム。子どもたちが一生懸命こねて作ったパンをお母さんも美味しそうに食べていました。今回は「夏休み自由研究スペシャル」とあって、盛りだくさんの内容でした。長時間にわたる教室でしたが、どの子も真剣に学ぶ姿が印象的でした。夏休みにお家でパンやヨーグルト作りに挑戦したいと言う声も聞こえました。実験や調理を通じて微生物と発酵の力についてより身近に感じてもらえたのではないでしょうか

2015年に開催した全10回の模様は、以下のリンクからご覧いただけます
開催当日の模様はこちらから
第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回第9回第10回
講師紹介 上田 昌文(うえだ あきふみ)先生

市民科学研究室 代表理事
市民研は暮らしの中にある科学技術“リビングサイエンス”(=生活を基点にした科学技術)という概念を手がかりに、様々な角度から「生活者にとってよりよい科学技術とは」を考え、そのアイデアを実現していこうとしています。子ども料理科学教室は、市民科学研究室が開発した科学実験と料理の技の習得を結びつける、実験しながら料理を作ることで「なぜこの調理法でうまくいくのか」を五感で探求できる新しい食育プログラムです

会場アクセス

JR立川駅および多摩都市モノレール立川北駅からは、歩行者デッキでつながっています

JR中央線/南武線/青梅線/五日市線
立川駅北口から徒歩7分
多摩都市モノレール
立川北駅国営昭和記念公園方面出口から徒歩5分

※施設の駐車場・駐輪場はありません
施設の北側に隣接して、市営の駐車場・駐輪場はありますが、できるだけ公共交通機関をご利用ください

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