イベント情報

オーガニック&ナチュラル ポランの収穫祭 2015 - 車座トーク -

五穀をめぐる車座トーク 11/1(日) 1Fラウンジにて

第一部 14:00~14:45
第二部 15:00~15:45

※第一部、二部と予定していましたが、話が盛り上がり、90分連続して開催しました
 

見る・知る・食す・利用する 11:00~17:00
  • べにや長谷川商店
  • 尾田川農園
  • 食の工房 風
  • ポラーノの五穀

五穀をめぐる車座トーク ~見る・知る・食す・利用する~

尾田川さんの作った雑穀のドライフラワーを中心に囲むように、30名ほどの参加者がゲストスピーカーの話を聞きました。その後の質問タイムでは、雑穀のおにぎりを試食しながら、参加者からゲストスピーカーに様々な質問が寄せられました

尾田川農園(岩手)・尾田川勝雄さん

りんご農園をやっていたお父様が、農薬で体を壊してしまったのが、雑穀作りを始めるきっかけ
その後、娘さんがアトピー性皮膚炎を患い、なかなか治らなかったことで親として大変な思いをした
そんな時、作っているアマランサスがとても体にいいと知り、娘さんに「良いものを安心して食べさせたい」という思いから、雑穀について勉強をはじめた
勉強すればするほど、環境や農薬のことなども知ることになった
色々な野菜や椎茸作りなどをやめて雑穀作りをはじめたい、その思いは強くなっていった
ホークスの工藤監督も尾田川農園の雑穀を食べている、だから優勝できたのでは?会場から笑いがおこった
健康であるうちに、健康のことを考えて、積極的に食べていただきたい

浦部農園(群馬)・浦部 眞弓さん

20年前にベーチェット病を患い仕事を辞め、医者も薬もダメなら環境と食事を変えるしかないということに。ところが当時、自分の食べたい米が手に入らないので自ら作りはじめた
夫婦で二人三脚で米を作り食べ続けた結果、現在ベーチェット病の症状は出ていない
群馬は水があまりない地域。米・麦・大豆を輪作することによって、それぞれの栽培技術が支えあっている
技術も資金も人手もないところからはじめ、3年ほどで個人のお客さんがつくようになってきた。さらに3年ほど経ち話を聞いた業者さんがつくようになった。その後、技術を学びたいという人が訪ねてくるようになり、指導しながら13名ほど育ててきた。独立~その後の支援も行っている
一番の問題が後継ぎ。このままでは買う人がいても作る人がいなくなってしまう。今後どのようにして次の世代へ継承していくのか、地域農業として産業としての継承をどうしていくのか模索している

八木澤商店(岩手)・河野 和義さん

究極とか有機とかいう言葉を売りにしているが、当たり前のことをやっているだけ。発酵食品の種類は日本が世界一。添加物を入れなければ全てが健康食品。売り手の都合や論理で偽物の発酵食品が多くなった
3.11震災のとき、すべて流されてしまったが40名の社員は一人も解雇しなかった。
震災一ヶ月前に釜石の水産技術センターの海洋微生物研究室に、もろみに含まれる酵母菌の研究の為に4キロのもろみを預けていたが、そのもろみが瓦礫の中から奇跡的に見つかった
その4キロのもろみを160キロに増やしてもらい、それを種にして作ったのが「奇跡の醤」
震災で気づいたことは、人は宝、社員がいなかったら今はない。地域に支えられている。横のつながり、人のつながりを大切にしたい。超積極的に考えていくことが大事ということ
将来はエネルギーも自分たちが使う分だけ作り出すようになるのでは
若手社員が考えた経営理念
一、私たちは、食を通して感謝する心を広げ、地域の自然と共にすこやかに暮らせる社会をつくります
一、私たちは、和の心を持って共に学び、誠実で優しい食の匠を目指します
一、私たちは、醤の醸造文化を進化させ伝承することで命の環を未来につないでゆきます
良い商品を作ろう!ではなく、地域と共に生きる中小企業が日本を作っていかなければならない

中里町自然農法研究会(青森)・三上 新一さん

大豆、小麦、米を自然農法で作っています
昨年は異常天候で、一昨年はいもち病にやられてしまいましたが、今年は良い状態で収穫を迎えることができたと感じている
(事務局より商品の紹介)有機米、有機大豆、有機にんにく、ポラーノの有機醤油の原料の有機大豆と小麦も提供していただいています

食の工房 風・増田 昭子さん

昭和50年頃から全国の農家を渡り歩いて話を聞いてきた。雑穀は貧しい者が食べるというイメージがあるが、粟もちなどが神様に供え奉られていることを知った
雑穀と五穀の違いがあるのかというと、神様を祭るとき五穀豊穣というように使われる。「五穀」と「雑穀」は時代によって使い方が異なるが、基本的にその意味する内容は同じである
ある地域では、米の飯を「おとこめし」といい、粟や稗など雑穀中心の飯を「おんなめし」といって男女で食べるものを差別化していた。しかし、白米や魚などの「おとこめし」を食べる男性より雑穀と野菜中心の「おんなめし」を食べる女性のほうが長生きだった。これは栄養の差なのだが、それが分かるのは後の時代のことで、実情は食べにくい雑穀は女性に食べさせていたということ
試食:きびだんご(炊飯器で炊いた)、五穀ご飯

べにや長谷川商店(北海道)・小川 康子さん

在来種の珍しい豆を使って、加工などしない状態で自分たちの手で料理していただきたいという思いから、様々なイベントで全国を回りながら、情報を提供している

ご参加いただいた方々から

  • 尾田川農園さんへ「お子さんはどのような食事で治されたのですか?」
    日常的にアマランサスなどの雑穀を食べ続けたところ、3~4年でだいぶ良くなった。アマランサスが良かったと実証はできないが、免疫力が上がったのは実感できた
  • 浦部農園さんへ「赤米・黒米では生命力が強いのはどちら?」
    赤米がもともと日本にあったお米といわれていて、日本の風土にあっている。黒米は近年になってから入ってきた。売られているものは特別色が赤いものであったり、黒いものだが、その中間のような色のものもある
  • 浦部農園さんへ「農業をやりはじめて7年、なかなかうまくいかない」
    お米づくりは、農薬・化学肥料によって減ってしまった微生物を増やしていき、土壌を作り直すことからはじめる。化学肥料や農薬をいっさい使わない田んぼには有機物を分解する高等微生物が住みはじめる。有機物を豊かに取り込んではじめて栄養豊かな美味しい米ができる。作物は土にあるものをそのまま吸い取る。高等微生物の多い有機農業の田んぼからはアミノ酸をたくさん含んだ米がとれる。有機のお米やキャベツは甘いと感じるのはアミノ酸のうまみのおかげ。また、農薬が残っている田んぼで作業すると手ががさがさになる、有機の田んぼは天然の泥パックと言えるほど手荒れもしない
  • ポランの会員さん30数年の方
    20年以上前に息子のアトピーのことで尾田川さんに相談し、いつものお米に雑穀を混ぜて食べるのが手軽にできるとアドバイスを受けた。以来、雑穀を食べ続け息子さんのアトピーの症状もよくなった。これからもポランとはつながっていきたい
ゲストスピーカー紹介

増田 昭子 さん

雑穀・在来作物の民俗学研究の第一人者
福島県南会津生まれ。早稲田大学教育学部社会科卒業。元立教大兼任講師、法政大学沖縄文化研究所国内研究員。第48回柳田賞受賞

<主な著書>
『雑穀の社会史』(吉川弘文館2001年/2011年)
『雑穀を旅する スローフードの原点』(吉川弘文館2007年)
『在来作物を受け継ぐ人々 種子 は万人のもの』(農山漁村文化協会2013年)など

尾田川 勝雄 さん

岩手県九戸郡で祖父母の代より続く、雑穀農家
ヒエ、粟、キビなどを主に生産。雑穀のひとつ、アマランサスの栽培を開始した頃、「自分で作った物を、食べる人に届けたい」と思い、販売を開始しました。最初は雑穀、加工食品など自分で作ったものだけを売っていましたが、販売量や商品の数が増えてきましたので、近隣の契約農家とともに生産しています

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